正直不動産を現役不動産がレビュー【1巻】サブリース契約の闇

正直不動産を現役不動産がレビュー【1巻】サブリース契約の闇

正直不動産の内容がむずかしくて楽しめない。

「実際にそんな事あるの?」などの疑問に現役の不動産屋がお答えします。

もりやま
もりやま

今回は、1巻7ページに出てきます。
石田さんご夫婦のサブリース契約をご説明いたしますネ。

正直不動産の大まかなストーリーの流れ

老夫婦の石田さん夫婦が遊ばせていたビルを取り壊し、新たにアパートに建て替えて賃貸オーナーになる契約に際して、永瀬財地(山下智久さん)が30年間一括借り上げのサブリース契約を提案しているところから今回のお話は始まります。

実は、永瀬財地(山下智久さん)が説明しているサブリース契約には大きな落とし穴がいっぱい…。

もりやま
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このお話は、サブリース契約を検討中の方には必ず勉強して欲しい内容が書かれていますのでかならずチェックして下さいネ。

サブリース契約とは?

通常の一般的な賃貸契約はオーナー様と借主様が直接契約を結ぶ2者間契約になります

ですが、サブリースの場合は不動産会社がオーナー様より物件を借り受け、さらに不動産会社が借主に転貸する3者間契約になることを言います。

つまりサブリース契約は、オーナー様の借主は不動産会社と言う事になるのです。

オーナー様の利点は、空室満室に関わらず不動産会社から毎月決まった額の家賃保証料が入って来る契約の事です。

もりやま
もりやま

オーナー様 → 不動産会社 → 借主
の構図に契約期間中は、毎月決まった額の家賃を保証してもらえる契約のことなんですね。

石田さんご夫婦の30年一括借り上げ保証の契約とは?

永瀬財地(山下智久さん)は、入居率に関係なく(空室や満室に関係なく)30年間マンション一棟ごと借り上げる契約(30年間毎月家賃を保証する契約)をしようとしているのです。
さらに、4年目以降は家賃を2年ごとに原則3%上げると説明されているのです。

もりやま
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30年間家賃を保証してくれて、4年以降は家賃を2年ごとに原則3%上がるとなればリスクも無い。
相続税対策にもなるなら一石二鳥だと思いますが、実は、そうとも言えないのが現実なのです。

永瀬財地が説明したサブリース契約のメリットの裏

  • 入居者募集や管理をしなくて良い
  • 入居率に関係なく毎月安定した家賃収入が入る
  • 4年目以降は家賃を2年ごとに原則3%上げる
  • 相続税対策になる

本編では、上記の内容のメリットを説明したが、実はがあるのです。

もりやま
もりやま

永瀬財地の説明にどんなウソがあったのかをご説明いたしますね。

入居者募集や管理をしなくて良い

入居者募集とは借りたい人を募集する事です。(例:スーモやホームズで物件が掲載されている状態の事です)


管理とは、定期清掃、設備の故障、家賃の管理、苦情の受付、入退去後のリフォーム手配などの業務です。 (注:勘違いしやすいのですが、永瀬財地(山下智久さん)は管理の業務を代行するだけで建物の補修や修繕や退去後のリフォーム費用などは、持ち主であるオーナー様が費用を負担しなといけない事に注意して下さい。)

めんどうな事は、すべて永瀬財地(山下智久さん)の会社の登坂不動産でしますと言っているが、実はここにも裏があります。

オーナー様は、管理をしないということは、登坂不動産の言いなりになってしまうという事を意味しているのです。

つまり、定期清掃の会社、設備故障の担当する工事会社、リフォーム会社の工事会社などの費用がすべてが相場より高く上乗せされて請求される事を意味しているのです。

正直不動産では、詳しく触れてませんが、現実社会ではリフォームやメンテンナンスの工事をしていないにも関わらず架空請求されていた事件も起こっております。

もりやま
もりやま

賃貸管理をして貰うということは、全て丸投げをすのではなく、本当にその工事は必要なのか?そして金額が適正なのか?チェックを怠らないようにしないといけません。

入居率に関係なく毎月安定した家賃収入が入る

本編でも触れていましたが、契約書には「中途解約を可能とする」という一文が記載されていたと言っているので、30年間のサブリース契約は途中解約する事も可能なのです。

つまり、30年間と言うのは名ばかりで、登坂不動産は自由に解約する事が出来ると言う事なのです。

さらに、一般的に、借主でもある登坂不動産からのサブリース契約の解約はスムーズにできるのですが、貸主である石田さんはからのサブリース契約の解約はスムーズにいかない事が多いです。

それは、法律上(借地借家法上)、借主の方が守られているからです。

さらに契約上オーナー様からのサブリース契約解約の場合は、正当な理由ないと認められないケースや、違約金が発生する旨の一文が記載されているケースも多く、現在とても問題になっています。  

4年目以降は家賃を2年ごとに原則3%上げる

本編で家賃を4年目以降は2年ごとに原則3%上げると説明していましたが、これも「原則」とであると言うこと「状況に応じて家賃変更の協議を行う」という事も伝えていますので、おそらく契約書にも「状況に応じて家賃変更の協議を行う」と記載がされているのでしょう。

つまり、登坂不動産が家賃が高いと判断した場合は、家賃を下げて貰う交渉が出来ると言う事です。

ちなみに、サブリースの家賃保証額は相場よりかなり安く設定されているケースがほとんどです。

実際には、近隣の家賃相場の9割~8割ぐらいに設定されているが多いと思います。

今回の契約を分かりやすく説明しますと、本来なら10万円で貸せる物件を9万円~8万円なら毎月保証します。

ただし、借り手が付かない場合は家賃を下げさせて下さい。

さらに私が本契約を解除したい場合は、いつでも解除させて頂きますと言う契約なのです。

それが本編のサブリース契約なのです。

さらに、一般的に、借主でもある登坂不動産からのサブリース契約の解約はスムーズにできるのですが、貸主である石田さんはからのサブリース契約の解約はスムーズにいかない事が多いです。

それは、法律上(借地借家法上)の観点から、借主の方が守られているからです。

また、オーナー様からのサブリース契約解約の場合は、正当な理由ないと認められないケースや、違約金が発生する旨の一文が記載されているケースも多くとても問題になっています。

サブリースでも、きちんと内容を理解してきちんと交渉できる人であれば利益を出せる問題のない契約ですが、何も知らないと相手のいい様にされてしまう怖い契約であると言う事を覚えておきましょう

相続税対策になる

本編で石田さんは、「名義を会社名だけ会社組織にしておけば個人資産でない上に、借り入れ(銀行への借金)もある為に相続税がほとんど発生しない」と説明されています。

おそらく会社を設立してオーナー所有財産をその会社へ譲渡(譲り渡すこと)し、オーナー個人の財産を何割か分離して相続財産から除外したのだと思います。(ただし色々な条件が必要)

さらに、相続税には、色々な計算方法が御座います。
現金で保管する場合では、そのままの額に相続税が加算されます。

ですが、土地や建物の場合だと評価額を元に算出されるのです。
その評価額は、実施価格ではなく路線価から求められます。

賃貸物件を建築して貸し出すことによって、「貸家建付家」扱いになり土地の評価額が大幅な減税が見込めるのです。
さらに建築費などの借入金があると、その分は評価額から差し引かれます
詳しい条件や計算式は説明いたしませんが、生前に賃貸物件を持つことによって相続税が大幅に軽減されるのです。

おそらく、今回の場合はこの辺の知識を駆使したのだと思います。

今回のようなケースでの賃貸経営はかなりの相続税対策になります。
永瀬財地(山下智久)が説明した中で、唯一まともで石田さんご夫婦にとっての有利な点です。

さらに考えられる永瀬財地の儲け方

  • 高額な建築費(建築費とサブリース契約のセット)
  • 土地や建物の購入代金の相場より高額になっている可能性

実は、サブリースの契約前にも闇が隠れているのです。

もりやま
もりやま

本編で永瀬財地は、「1億円のアパート建築を請け負った時点で4千万円の利益だ」と言っていますよね。
おそらく建築費に利益を上乗せをしているか、建築会社からのバックマージンを貰っているのだと思います。
さらに、土地購入時にも相場より高く売却されているケースも考えられるんですね。

まとめ

今回の様に建築をして取得する場合は、建築費とサブリース契約がセットになっているケースが多くあります


また、土地の購入時から相場より土地値が高く設定されていたりするケースもありますので、建築とセットのサブリース契約を検討中の方は、注意して契約を結ぶことをおすすめいたいします。

サブリース契約は、よく内容を理解して契約しなと、とんでもない負債を抱えてしまうとても危険な方法なのです。

サブリース契約は、中上級者向けの投資方法で不動産投資初心者の方は絶対に自分一人で判断せず、第三者の不動産会社や弁護士さんや税理士さんなに相談してから決める事おすすめ致します。

だまされてからでは遅いので、このブログを読まれた方は必ず、説明したことに注意しでだまされない様にして下さいね。

※本ブログは、あくまで個人的な意見及び感想です。

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