
はじめに:なぜ「広い土地」こそ事前確認が重要なのか?
広い土地を手に入れることは、夢のマイホームや事業用地として大きな魅力があります。しかしその一方で、「広い」というだけで思わぬリスクも抱えていることをご存じでしょうか?
特に境界・越境・インフラ未整備・測量不備などは、広い土地ほど見落とされやすく、購入後のトラブルが多発しています。
本記事では、広い土地を購入する前に必ず確認しておきたい重要ポイントを8つに絞って解説します。
1. 境界杭の有無を確認する
杭がない土地のリスク
境界杭は、土地の所有範囲を明確にするための「目印」です。
もし杭が1本でも抜けていたり見当たらない場合、どこからどこまでが自分の土地かを証明できず、将来的に隣地との境界トラブルに発展する可能性があります。
特に郊外や農地を含む広大な敷地では、杭の位置確認を怠るとトラブルが長期化しやすい傾向があります。
売主が「現況渡し」と言う場合の注意点
売買契約書に「現況渡し」と記載されている場合、土地の境界を巡る責任を買主側が負うことになります。
現況が越境状態であっても、「文句を言えない状態」で引き渡されてしまうため、契約前に測量図と杭を現地で必ず照合してください。
2. 越境物の有無を確認する
よくある越境例(塀・植栽・屋根など)
土地の購入後、「実は隣家の塀が数センチ越境していた」というトラブルは珍しくありません。
越境物で特に多いのは以下のようなケースです。
- ブロック塀・フェンスのはみ出し
- 隣家の植木・枝・根っこの侵入
- 屋根の軒先が越境している
- カーポートやベランダが空中越境している
越境を事前に知るには現地立ち会い+測量+専門家の目視が必要です。
3. 測量図の有無を確認する
公図だけでは不十分な理由
法務局で取得できる「公図」は参考図面に過ぎず、実際の境界線とは一致しないことがほとんどです。
例えば公図では隣地と接しているように見えても、実際は道路や他人地が挟まっているケースもあります。
売主が保有している測量図(できれば確定測量)を確認し、現地との整合性をチェックすることが不可欠です。
4. 現況測量か確定測量かを確認する
「現況測量」は現在の目視・杭をもとにした簡易測量ですが、法律的な境界確定力はありません。
一方で「確定測量」は、隣地所有者との立ち会いのもとで境界を確認・合意し、将来のトラブル防止に役立ちます。
もし時間や予算に余裕があれば、確定測量済の土地を選ぶか、契約前に実施を検討しましょう。
5. 地目と接道状況を確認する
広い土地によくある落とし穴が「地目:畑・山林」などであり、住宅や店舗に転用できないケースです。
また、接道義務を満たしていないと建築許可が下りず、「建てられない土地」になることも。
市役所の都市計画課・建築指導課で事前確認することを強く推奨します。
6. 隣地所有者との関係性を確認する
越境や境界に関しては、法的な正しさよりも人間関係が解決を左右する場面も少なくありません。
特に広い土地では、隣地と接している面積も長くなるため、関係性がこじれると測量や工事が進まなくなる可能性があります。
可能であれば、購入前に簡単な挨拶や現地立ち会いを行うことで、トラブルを未然に防ぐきっかけになります。
7. 開発・建築の制限(市街化調整区域など)を確認する
「市街化調整区域」や「農地法の許可が必要な土地」は、建物が建てられない、または非常に制限が多いことがあります。
広さがある分、安価に見える土地ほどこうした制限付きのケースが多いため、用途地域や開発条件をしっかり確認してください。
8. 水道・下水・電気などインフラ状況を確認する
都市部と異なり、郊外や山間部の広い土地では水道・下水・電気・ガスが未整備のことも多々あります。
インフラ整備には数十万円〜数百万円の費用がかかることもあり、「想定外の出費」になることも。
契約前に、引き込みの可否・負担区分・見積もりを確認しておきましょう。
まとめ:チェックリストPDF配布または問い合わせ導線へ誘導
広い土地は夢の実現にふさわしい可能性を秘めていますが、その分リスクも大きくなります。
今回ご紹介した8つの確認ポイントを押さえることで、「購入してから後悔する」ことを避けられます。
チェックリスト形式でまとめたPDFを以下より無料でダウンロードできます。
ぜひお気軽にご覧ください。