
線下補償料の基本と実務の全体像
はじめに
「線下補償料がもらえる土地」とは具体的にどんな土地か?
本記事では、自分の土地が補償対象かどうかを判断するために必要な視点と確認方法を、現場経験に基づいて丁寧に解説します。
線下補償の対象となる主な設備
- 送電線(超高圧〜高圧送電)
- 鉄道の架線(上空電線)
- 電柱と支線(地上部の設置)
なお、地中電線や通信ケーブルなど、地下に埋設されている設備については、補償の性質が異なるため今回は対象外とします。
具体的な該当地の例
- 農地の上を送電線が横切っているケース
- 山林や雑種地の一部に送電線や支線がかかっているケース
- 宅地の一部が鉄道架線下にあるため建築不可となるケース
いずれのケースも、土地の一部に何らかの恒常的な制限が課されていることが共通点です。
補償対象になる条件
- 上空の使用権に関する契約の有無(地役権設定や承諾書)
- 土地の所有者と事業者間で連絡が可能であること
- 占有状態が継続的かつ明確であること(電柱・支線など明示設備の存在)
- 過去に補償契約が未締結、もしくは更新されていない状態であること
事前チェックに役立つ方法
- 航空写真・地図で送電線や鉄道設備の通過ルートを確認
- 現地で電柱・支線・警告看板の有無を確認
- 登記簿や測量図に線下記載(地役権など)があるかを確認
- 地元の電力会社・鉄道会社に直接照会する
送電線には「送電線番号」や「巡視ルート」情報が記載された標識がある場合もあり、現地での記録が調査の手がかりになります。
線下補償対象でももらえないケース
- すでに一括で補償が支払われている(永久使用契約済み)
- 無償使用の覚書が過去に締結されている
- 過去の所有者と締結された契約が名義変更されていない
- 農地法などにより利用自体が制限され、補償対象から外れる場合
契約の履歴や書面がない場合でも、地権者が確認・主張すべきポイントは多く存在します。
線下に該当する土地を持っている場合の第一歩
- 契約書や覚書の有無を家族・登記記録などで確認
- 線下の範囲と面積を大まかにでも把握する
- 送電線や鉄道架線に記載されている事業者名・管理番号を記録
- 補償交渉のための窓口(地域電力・鉄道会社)を調べる
線下補償料の基本と実務の全体像