
この記事では、「相続税評価(そうぞくぜいひょうか)」というテーマに絞って、次のポイントを整理します。
- 相続税評価の基本的な意味と「時価」との違い
- 土地・建物を中心にした評価の考え方の入口
- 相続税評価が相続税額・遺産分割にどう影響するか
- 勘違いすると損をしやすい典型パターン
- 関西圏でよくある相続税評価に関する相談パターン
「固定資産税の評価額と何が違うのか分からない」「相続税評価額と実際に売れる価格のギャップが気になっている」という方を想定しています。
1. 相続税評価とは何か(「時価」との違い)
相続税評価とは、相続税を計算するために使われる「財産の評価額」のことです。
- 相続税の申告書に記載するための評価額
- 国税庁の通達・評価基準に沿って計算される、税務上の「値段」
ここで注意したいのは、相続税評価は「市場で実際に売れる価格(いわゆる時価)」と必ずしも一致しない、という点です。
- 相続税評価 → あくまで税務上のルールに基づいた評価
- 実勢価格 → 実際の売買市場で成立する価格
特に不動産では、
- 相続税評価額 < 実際に売れる価格
となるケースも多く、「相続税評価が2,000万円だから、この土地は2,000万円でしか売れない」というわけではありません。
2. なぜ相続税評価が重要なのか
相続税評価は、次のような場面で大きな意味を持ちます。
- 相続税がかかるかどうかの判断
- 相続税の具体的な税額の計算
- 遺産分割の基準(兄弟・相続人間で「公平感」を話し