工務店に頼む前に読む|大阪市の不動産売却で「直してから売る」を失敗しない判断基準

工務店に頼む前に読む|大阪市の不動産売却で「直してから売る」を失敗しない判断基準

結論:工務店は「必要な範囲だけ」使う。先に売却方針と価格戦略を決める

「工務店に直してもらってから売った方が高く売れる?」という相談は大阪市でもよくあります。
結論から言うと、工務店工事はやれば上がるものではなく、やり過ぎると回収できないこともあります。
先にやるべき順番は、①売却の優先順位(高く売りたい/早く売りたい)を決める → ②不動産会社に査定と販売戦略を確認 → ③必要な補修だけ工務店で手当、です。

「工務店が絡む」売却パターンは主に4つ

  • 軽微な補修:クロスの部分補修、建具調整、水栓交換、網戸など(内覧印象を整える目的)
  • 重大な不具合対応:雨漏り、給排水の漏水、シロアリ、傾き疑いなど(放置すると交渉材料になりやすい)
  • 戸建てや土地の解体:老朽家屋を更地にするか、古家付きで売るかの判断が必要
  • リフォーム再販:買主が住む前提で大規模改装(個人売主では費用回収が難しいことも多い)

大阪市は区や沿線で需要が大きく違い、同じ築年数でも「駅距離」「生活利便(商業施設・学校・病院)」「周辺環境」で評価が動きます。
工務店工事をする前に、エリア相場と買主層(実需/投資)を読み違えないのが重要です。

売却の全体像:査定から引渡しまでの流れ

  • 査定:相場と成約事例、物件の強み弱みを整理
  • 媒介契約:一般媒介/専任媒介/専属専任媒介から選ぶ
  • 販売開始:価格設定、写真・図面、広告、内覧対応
  • 申込:買付(購入申込)を受け、条件調整
  • 売買契約:重要事項説明、契約締結、手付金
  • 引渡し:残代金受領、登記手続き、鍵の引渡し

工務店を使うなら「販売開始前」か「申込後の条件調整」のどちらかが多いです。売出し後に慌てて工事すると、スケジュールも費用も膨らみやすいです。

高く売りたい場合と、早く売りたい場合で工務店の使い方が変わる

  • 高く売りたい:第一印象を上げる小さな補修は有効。ただし大規模改装は回収計算が必要
  • 早く売りたい:工事で止めず、価格と条件で勝負する方がスムーズなことが多い

判断基準の目安は「買主が不安に感じる欠点を消せるか」です。
例えば、見た目の劣化(汚れ・破れ)より、生活に直結する不具合(漏水・設備不良)の方が値引き圧力が強く出やすい。
迷ったら、建物状況調査(いわゆるインスペクション)や設備点検で、直すべき範囲を絞ると無駄が減ります。

物件種別ごとの注意点:マンション・戸建て・土地

  • マンション:専有部と共用部の切り分けが重要。漏水の原因が共用配管だと管理組合対応になることも
  • 戸建て:雨漏り・シロアリ・基礎や床の傷みは要注意。工務店見積りは「原因調査込み」か確認
  • 土地:古家付きか更地かで買主層が変わる。解体するなら境界・越境・地中埋設物のリスクも想定

失敗しやすいポイント5つ(現場で多い順)

  • 価格設定:工事費を上乗せして売れると思い込み、反響が止まる
  • 媒介選び:販売方針が曖昧なまま契約し、工事の判断も後手になる
  • 内覧準備:工事より先に清掃・片付け・におい対策で改善できるのに着手しない
  • 必要書類:測量図、建築確認、リフォーム履歴、管理規約などが揃わず話が進まない
  • スケジュール:工事の納期遅れで売り時を逃す(特に繁忙期や職人不足の時期)

さらに近年は、引渡し後のトラブルを避けるため「どこまで告知し、どこまで直すか」を整理するのが大事です。
直さない場合でも、分かっている不具合は正直に共有し、条件(現状有姿など)の整え方を不動産会社と詰めましょう。

費用の考え方:工務店費用+売却諸費用を一体で見る

工務店の見積りは、同じ「修繕」でも内容がバラつきます。最低でも2〜3社で相見積りし、範囲と保証を揃えて比較します。
その上で、売却側の代表的な費用も一緒に把握しておくと判断がブレません。

  • 仲介手数料:成約時に発生(上限計算あり)
  • 契約書の印紙税:売買契約書に貼付
  • 抵当権抹消などの登記費用:ローンが残っていた場合に発生
  • 譲渡所得税:利益が出た場合に課税(特例の適用可否は個別確認)
  • 測量・解体・残置物処分:戸建て・土地で出やすい

工務店に依頼するか迷ったときの手順(大阪市でのおすすめ)

  • ステップ1:不具合を「生活支障」「見た目」「将来不安」に分けてメモする
  • ステップ2:不動産会社に査定と買主像を聞き、直す優先順位をつける
  • ステップ3:直すなら範囲を絞って相見積り(原因調査・保証・工期まで確認)
  • ステップ4:販売開始前に完了させるか、売出し後は価格と条件で調整する

私の現場感だと、「内覧の印象が下がる小さな傷み」と「重大不具合」は対応し、
それ以外は価格と条件で整理する方が、結果的に手残りが増えるケースが多いです。

注意書き

本記事は一般的な情報です。物件の状態、権利関係、管理規約、税務(特例の適用可否)などで最適解は変わります。
制度や税金は改正されることもあるため、最終判断は不動産会社・税理士・司法書士等に確認してください。

大阪市で売却相談をするなら:工務店手配も含めて「先に販売戦略」を組み立てます

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