田地

田地

「地目が田の土地」という言葉を聞いたことがありますか?この記事では、「地目が田」の意味や特徴、そして田地の活用方法について解説していきます。田地は、日本の土地利用において重要な要素です。その特性や役割について知って、日常生活の中でどのように関連しているのか、見ていきましょう。

地目の各説明は以下よりご覧下さい。

法務省の規定による主な地目には以下のものがあります:

  1. 田(農耕地で用水を利用して耕作する土地)
  2. 畑(農耕地で用水を利用しないで耕作する土地)
  3. 宅地(建物の敷地およびその維持・効用に必要な土地)
  4. 学校用地(校舎、附属施設、運動場など)
  5. 鉄道用地(鉄道の駅舎、附属施設、路線の敷地)
  6. 塩田(海水を引き入れて塩を採取する土地)
  7. 鉱泉地(鉱泉の湧出口とその維持に必要な土地)
  8. 池沼(かんがい用水でない水の貯留池)
  9. 山林(竹や木が生育する土地)
  10. 牧場(家畜を放牧する土地)
  11. 原野(雑草やかん木が生育する土地)
  12. 墓地(人の遺体や遺骨を埋葬する土地)
  13. 境内地(宗教法人法に掲げられる土地)
  14. 運河用地(運河法で定められた土地)
  15. 水道用地(給水のための水源地、貯水池、浄水場など)
  16. 用悪水路(かんがい用や悪水はいせつ用の水路)
  17. ため池(耕地かんがい用の水貯留池)
  18. 堤防(防水のために築かれた堤防)
  19. 井溝(田畝や村落間の通水路)
  20. 保安林(農林水産大臣が保安林として指定した土地)
  21. 公衆用道路(一般交通に供される道路)
  22. 公園(一般の娯楽のために供される土地)
  23. 雑種地(上記のどれにも該当しない土地)
https://rent.f-eden.co.jp/2023/11/18/%e5%9c%b0%e7%9b%ae/

意味と特性


日本の土地利用において、地目「田」は農業用地を指します。この地目にはどのような特性や意味があるのか、詳しく見ていきましょう。

田とは?

土地の登記記録には、土地の利用状況に基づいて分類された「地目」と呼ばれる項目が記載されています。法律では、この地目が23種類に区分されており、各地目には具体的な定義が与えられています。

たとえば、「田」の地目について法律には次のように規定されています:


「農耕地で用水を利用して耕作する土地」

これには、水田で稲を栽培する場所や、わさびやはす、ジュンサイなどの水を使って作物を栽培する土地、水田内に作られた畦畔や用水を管理する施設が含まれます。また、稲を収穫した後に麦などを栽培する場合でも、その都度地目を変更せず、土地本来の利用目的を考慮します。

実際には地目が「田」であるかどうかを判断するのは困難な場合があります。

地目畑と田の違い

田とは、用水を利用して耕作される農耕地を指し、畑は用水を使わずに耕作される農耕地を指します。さらに、休耕地や不耕作地なども、田や畑といった農耕地に分類されます。

田の購入

田畑の購入には、行政の許可が必要です。具体的には、田畑などの農地を取得するためには、松本市農業委員会に届け出を行い、許可を得る必要があります。

売却者と購入者は共同で、土地の売買前に申請をし、受理証を発行してもらいます。問題がなければ、申請から1週間から10日ほどで受理され、受理証が発行されます。

この受理証が手に入れば、農地の所有権を移転し、その後は宅地として利用することができます。法務局に申請し、土地が建物の敷地とみなされると、宅地として登記されます。土地に建物が建っていなくても、敷地内とみなされれば宅地への変更が可能です。

ただし、この手続きは主に市街化区域の土地に関連しており、市街化調整区域にある田畑に関しては、非常に厳格な規定があり、宅地への変更が認められるケースは限られています。市街化調整区域では、田畑を保護するための規定が厳格に適用されています。

農業委員会の証明書発行はケースバイケースです。すぐにもらえることもあれば、なかなか許可されないこともあります。

農地転用

田を畑に転用する場合、基本的には農地であることに変わりはないため、原則として特別な許可は必要ありません(登記上の地目変更においても許可証等は不要です)。ただし、畑に変更する意向を地元の農業委員会に通知する必要があります。この通知は畑地転換届などと呼ばれ、形質変更届、農地改良届、土盛届などと呼ばれることもありますが、届出名が異なる場合があります。

地目変更登記を代行することができる国家資格登録者は「土地家屋調査士」です。 司法書士は「地目変更登記」を代行することができません。 この地目変更登記をしてから、売買や贈与で名義変更登記(所有権移転登記)をします。

地目変更登記には、登録免許税はかかりません(無料)。ただし、「土地家屋調査士」への依頼料はかかります。申請から登記完了までには、通常1週間から2週間ほどの期間がかかります。

もし、自分で行う場合、地目変更には法務局で取得する登記事項証明書の取得や申請に関連する実費(数千円程度)がかかります。登記事項証明書の発行手数料は1筆あたり約600円ですが、地目変更登記自体の登録免許税は0円です。

デメリット

地盤が弱い可能性

「沼」「ため池」「田」などの地目は、地盤が弱い可能性があることが考えられます。特に、地盤に水分が多く含まれている場合は、地盤沈下や液状化現象が発生する危険性が高まります。こうした地目の土地を購入する際には、地盤調査を行うことが重要です。調査の結果、場合によっては地盤改良工事が必要となる可能性もあります。安全性を確保するためには、購入前にしっかりとした地盤調査を実施し、必要に応じて適切な対策を検討することが重要です。

個人の購入が難しい

土地の状態に関わらず、田や畑のまま残る土地は多く存在します。地目の変更は一応義務とされていますが、特に罰則がないため、住宅用の敷地でも田や畑のままになっていることがよく見られます。

前述したとおり、こうした土地を購入する際には、田や畑としての地目を宅地に変更する必要があります。この変更は義務ではなく、むしろ田や畑のままでは購入が認められないために必要です。通常、田や畑の購入は農家の資格を持つ者に限られ、一般の個人が購入することは難しいです。

行政も、田畑を存続させるためには耕作を引き継ぐことが前提でないと所有権の移転を認めない方針をとっています。このような措置は、農地を維持し、農業を支えるための取り組みの一環です。

少しマニアックな話

これまでの説明は、対象となる田畑を売買や贈与、もしくは交換等によって取得する際の話でした。これらはいずれも当事者の意思に基づく取得原因です。例えば、売りたい・買いたい、あげたい・貰いたいなど、当事者の意思が介在しています。

田畑には他にも地上権や賃借権の設定時にも同じく農業委員会の許可が関わってくることがあります。これは土地の使用収益に関する問題で、権利取得においては要注意です。

田畑において、ありとあらゆるケースで農業委員会が絡むかというと不要なケースも存在します。

たとえば、当事者の意思に基づかない権利の取得原因として相続や時効。相続は被相続人死亡時に相続人となる者がその権利を当然に承継し、当事者の意思は介在しません。そのため、農業委員会の許可は不要です。ただし、遺言書による遺贈の場合は注意が必要です。

遺贈の相手方が相続人である場合は常に農業委員会の許可は不要です。ただし、遺贈は相続人以外の第三者にも行うことが可能で、その場合には慎重に判断する必要があります。

離婚に伴う財産分与も状況によって異なります。裁判や調停の場合は不要で、当事者の協議の場合には必要とされることがあります。

その他、田畑の時効取得や抵当権設定においても農業委員会の許可は不要です。これらは期間経過や土地の使用収益といった問題が介在せず、当事者の意思に基づくものではないからです。抵当権についても土地の使用収益が関わるため、農業委員会の許可は必要ありません。

田畑においては慎重に注意を払いつつ、事案に応じて柔軟に判断することが賢明です。

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