私道

私道

私道とは

公道に対する概念であり、誰でも利用できる公道とは性格を異にしている。土地所有者の許可を得なければ通行することはできない[1]。誰でも利用できるように開放している道路もあるが、それは土地所有者がそのように許可しているためである。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%81%E9%81%93

私道とは、個人や法人が所有する土地の一部に設置された道路のことです。この道路は一般的には他人が通行することはできませんが、建築基準法によって一般の人も自由に通れる「道路」として指定された場合、その所有者は道路の変更や廃止について制限を受けます。

私道には、特定の個人の利用を目的として築造されたものや、一般の人が利用できるように造られたものがあります。私道が建築基準法上の「道路」として指定されるには、特定の手続きを踏む必要があります。

不動産を検討する際、私道の有無は重要な要素です。私道は単なる通り抜けの手段以上の意味を持ち、不動産価値や日常生活に大きな影響を及ぼします。私道の影響を探求し、不動産や生活に与える影響を具体的に見ていきます。

私道を含む地目の各説明は以下よりご覧下さい。

  1. 田(農耕地で用水を利用して耕作する土地)
  2. 畑(農耕地で用水を利用しないで耕作する土地)
  3. 宅地(建物の敷地およびその維持・効用に必要な土地)
  4. 学校用地(校舎、附属施設、運動場など)
  5. 鉄道用地(鉄道の駅舎、附属施設、路線の敷地)
  6. 塩田(海水を引き入れて塩を採取する土地)
  7. 鉱泉地(鉱泉の湧出口とその維持に必要な土地)
  8. 池沼(かんがい用水でない水の貯留池)
  9. 山林(竹や木が生育する土地)
  10. 牧場(家畜を放牧する土地)
  11. 原野(雑草やかん木が生育する土地)
  12. 墓地(人の遺体や遺骨を埋葬する土地)
  13. 境内地(宗教法人法に掲げられる土地)
  14. 運河用地(運河法で定められた土地)
  15. 水道用地(給水のための水源地、貯水池、浄水場など)
  16. 用悪水路(かんがい用や悪水はいせつ用の水路)
  17. ため池(耕地かんがい用の水貯留池)
  18. 堤防(防水のために築かれた堤防)
  19. 井溝(田畝や村落間の通水路)
  20. 保安林(農林水産大臣が保安林として指定した土地)
  21. 公衆用道路(一般交通に供される道路)
  22. 公園(一般の娯楽のために供される土地)
  23. 雑種地(上記のどれにも該当しない土地)
https://rent.f-eden.co.jp/2023/11/18/%e5%9c%b0%e7%9b%ae/

「公道」と「私道」の違い

「公道」とは、国や地方自治体が所有し、一般的な道路整備や管理を行うものです。一方、「私道」は個人や団体が所有する道路であり、彼らが通行や管理を担当しています。

「公道」は道路整備を行う公的な機関が所有しており、対照的に「私道」は所有者がその管理を行います。所有者が通行の許可を制御する点が異なります。これにより、注意すべきポイントが生じることがありますが、これについて後ほど説明します。

「建築基準法上の道路」であるかどうかは、家を建てる前に確認すべき重要なポイントです。不問公道であれ私道であれ、建築基準法上の道路であれば、その道路に面した土地に家を建てることができます。場合によっては、「通路」として指定されている公道や私道もあります。そのような場合、家の建築は制限されます。

建築基準法によると、建築物の敷地は「幅員(つまり道路の幅)が4m以上の道路に2m以上接している必要があります」。これが通称される「接道義務」です。この規定は公道であれ私道であれ、同様に適用されます。

4m未満の道路でも、建築が認められる場合があります。「たとえば、昔は幅が一間(約1.8m)など4m未満の道路が一般的でしたが、周囲の人々が実際に通行している場合、建築基準法の規定前からそこが道路として機能していた可能性があります。こうした場合、建築基準法によって道路として承認されることもあります(建築基準法42条第2項)。」

「公道」と「私道」の見分け方

道路が公道なのか私道なのかを見分ける方法は、次の通りです。

実際の場所で判断することは難しいです。一般的に、車が頻繁に通る幹線道路は公道である可能性が高く、逆に行き止まりの道など、利用者が限られている場合は私道の可能性があります。

道路に「この先私道につき通り抜け禁止」などの看板がある場合、私道である可能性が高いですが、これはあくまで推測であり、実際には判断が難しいです。

不動産会社

土地を購入する際は、不動産会社がその土地が面する道が公道なのか私道なのかを通常教えてくれます。そのため、不動産会社を通じて土地を購入する場合、自分で道路の所有者を調べる必要はほとんどありません。

登記簿謄本

さらに確実な方法としては、最寄りの法務局で全部事項証明書(登記簿謄本)を取得することが挙げられます。全部事項証明書には土地の所有者の情報が記載されており、道路に面した土地の全部事項証明書を取得することで、その道の所有者を知ることができます。所有者が国や地方自治体でなく個人や企業であれば、その道は私道であると言えます。

ただし、公道であれば土地に地番が付されておらず、全部事項証明書を取得できないことがあります。そのため、全部事項証明書を取得する前に法務局で公図(土地の位置や形状を示す地図)を取得し、該当の道に地番が付されているかどうかを確認することをおすすめします。地番が付されていない場合、その道は私道となります。

私道の権利関係

所有権

法的に所有権を説明すると、「物を完全に支配し、自由に使用・収益・処分できる権利」(民法206条)です。

私道の所有権が複数人で共有されている場合、土地利用に関しては、私道を通行することから掘削、占有まで、幅広い権利が発生します。ただし、この共有所有権には注意が必要です。私道が他の所有者と共有されている場合、例えば掘削工事や私道の維持管理について合意が必要となります。

所有権を一人で保有している場合は問題ありませんが、複数の所有者がいる場合、他の所有者との関係が懸念されます。掘削工事や私道の管理に関する取り決めが必要となり、それが「道路管理の約束事」として形成されます。

通行地役権

所有権の次に確実な通行権があります。それが通行地役権と呼ばれる権利です。

通行地役権は、簡単に言えば「自分の土地を利用するために他人の土地を通行しなければならないときに、その権利を土地に設定できるもの」です。この通行地役権は、登記も可能な権利であり、所有権に次いで土地利用において強力な権利とされています。通行地役権を設定する際には、自動車の通行や掘削に関する具体的な合意を事前に行うことが望ましいでしょう。

法律上は地役権を主張するには「登記が必要」とされていますが、判例では「登記がなくても、土地所有者が外観上地役権の設定を予測できれば十分」とされています。言い換えれば、登記がない場合でも、私道が既に実際に道路として使用され、かつ長期間にわたり利用されていることが明らかな場合には、地役権が認められることがあります。

契約による通行権

契約に基づく通行権は、私道の所有者との合意によって発生します。通行権には賃貸借契約、使用貸借契約、通行承諾などがあります。

賃貸借契約では、賃料を支払いながら土地を借り受け、通行権を得ます。使用貸借契約も同様に土地を借り受けますが、賃料の支払いがなく、無償で借り受けることになります。

通行承諾は通行権を得るための契約で、お金を支払うかどうかにより異なります。通行承諾の場合、通行権は通行を承諾されるだけであり、他の人も通行できます。

これら契約による通行権では、権利の継続期間や契約終了時の代替手段について確認が必要です。

 囲繞地通行権

囲繞地通行権は、公道に直接接続されていない土地(通称「袋地」)の所有者が、その袋地を囲んでいる土地(通称「囲繞地」)を、所有者の許可なしに公道まで通行できる権利を指します。

この権利が成り立つためには、①「袋地」が直接公道に接続されていないことが条件です。同時に②「袋地」が他人の土地によって囲まれていない必要があります。また、囲繞地通行権が承認されていても、通行者は原則として囲繞地の利用に伴う損害に対して償金を支払う責任があります。

通行の自由権

通行の自由権は、判例上、建築基準法に基づく道路位置指定を受けた私道やみなし指定道路(通称「42条2項道路」)において、既に存在する通路の通行が妨害された際に、その通行が特に日常生活に不可欠である人々に対して与えられる権利です。

ただし、通行権は他人の所有地を通行する権利であり、容易に認められるものではありません。その具体的な条件や要件については様々な議論がなされていますが、最低でも通行者にとってその通行が日常生活に欠かせず、かつその通行が私道所有者に著しい損害を与えない場合に、通行権が認められるとされています。

「私道負担」とは?


土地の中で、今までは家が建っていなかった場所が、新しい家を作るために整えられることがあります。その時、家の近くの道にも気を配る必要があります。そこで、その道を整えるために、家の建物から一定の距離を空ける必要が出てきます。これを「セットバック」と呼んでいます。

このセットバックが必要な場合、土地を購入する際、この道の整備を一緒に買う必要があることがあります。それによって、道路に建物を建てることができなくなることもあります。そして、その道は他の人たちと共有することになります。これを理解して、土地を購入する際には、このような点も考慮する必要があるでしょう。

道路交通法の規制の対象か?

私道が道路交通法に基づいて警察による取り締まりを受けるかどうかは、その道が道路交通法上の「道路」に該当するかによります。

道路交通法の目的は、「道路における」危険を防止し、交通の安全と円滑さを確保することです。この法律上の「道路」に私道が含まれるかが重要なポイントです。

道路交通法による「道路」の定義は、「道路法、道路運送法に規定する道路などの他、一般交通の用に供するその他の場所」と規定されています。

裁判例においても、私有地でも不特定の人や車が自由に通行できる状態の場所は、道路交通法上の「道路」とみなされると示されています。

つまり、不特定多数の人や車が自由に通行できる状態の私道は、道路交通法の対象となります。しかし、完全に個人の邸宅内にある私道は一般交通の用に供されていないため、道路交通法上の「道路」には該当しません。

私道が道路交通法の「道路」に含まれるかどうかは、その実際の使用状況と公共性の程度によって判断されます。

メリットとデメリット

メリット

プライバシーと静けさを提供
共同所有権による近隣とのつながり
安全な環境と子供たちの遊び場

デメリット

  • メンテナンス費用の負担

一般的に、公道の整備や水道管の配管などは自治体が行いますが、私道に面した土地を所有している場合は私道所有者の許可が必要となります。私道や土地における配管や維持管理は所有者の責任とされています。

私道や水道管が荒れていたり老朽化していても、他の私道利用者が勝手に修繕を行うことはできません。実際の修繕作業や費用負担は、私道利用者間で合意がない限り実行できません。私道が共有名義であれば、全ての名義人の同意と費用負担が必要です。私道が分筆されている場合も、私道全体に影響する工事がある場合は同様です。

「最近問題となっているのは、こうした道路や水道管の老朽化対策です。初期には将来の老朽化についての配慮が不十分であり、維持管理に関する議論がなされていないことが多いです」

また、公道とセットバックで一部私道を負担している場合、配管に関する費用負担は自分の土地に引き込まれる部分のみとなります。また、自ら提供している私道部分は所有者自身の責任ですので、許可を得る必要はありません。

  • 土地売買

私道の所有者が個人や一つの団体の場合は、敷地のみの売買で他の土地の売買とほぼ同じです。ただし、共有名義の場合は、「私道負担」に関することを考慮しなければなりません。買主は私道の共有名義部分も取得することになります。私道部分が飛び地としてセットになっている場合は、買主は私道部分を購入しなくても構いませんが、後のトラブルを避けるためにもセットで購入しておく方が良いでしょう。

「飛び地として私道を所有している土地の購入に関する相談がある場合、購入前に現在の所有者全員に通行や掘削に関する自由を記載した承諾書に捺印してもらうようにしています。これにより後のトラブルを予防できるでしょう」

  • 駐車違反問題

自宅の私道に他人の車が無断駐車していると、その駐車違反を取り締まってもらえるでしょうか?実は、私道には「駐停車禁止」「停車禁止」の標識などがないので、法的に駐車を規制するのが難しいのです。そのため、積極的な取り締まりが困難な場合が多いのが現状です。

このような問題が起こった場合、基本的には私道の所有者が自分で解決する必要があります。しかし、私道であっても、その場所が一般交通に使われる道路と見なされると、特定の法律が適用されることがあります。たとえば、車庫法と呼ばれる法律が該当します。この法律では次のようなことが禁止されています。

  • 道路を自動車の保管場所にすること
  • 自動車が12時間以上駐車すること
  • 夜間に自動車が8時間以上駐車すること

もし私道に無断駐車がされて迷惑している場合、駐車時間などを記録しておき、警察に相談してみると良いでしょう。

ただし、私道における駐車トラブルに関しては、その場所が道路交通法の適用される道路と認められるかなど、判断が容易ではないのが現状です。

  • 通行トラブル

私道で起こりやすい問題のひとつが、通行にまつわるトラブルです。

私道とは、個人が所有し管理するプライベートな道路であり、誰もが自由に通れるわけではありません。

時に、私道の所有者が何も言わずに黙認していることもありますが、他の人がその私道を通るには、所有者から許可を得る必要があります。

昔から地域の住民が使ってきたとしても、それが私道であれば、通行の権利は所有者に帰属します。

長崎では、地元の住民が長年にわたり利用していた私道が不動産会社の所有となり、管理の費用として通行料が課され、突然私道が封鎖されたという問題が起きました。

このような事例からも、今まで問題なく通行できていた私道でも、所有者が変わることで、通行が制限されたり通行料を求められることがあります。

私道は公道とは異なり、国や自治体が管理しているのではないため、整備や維持の費用は所有者が負担しなければなりません。それが突然の通行制限や通行料などのトラブルの可能性を引き起こす原因です。

共同所有権と管理

私道の共同所有権は、隣人との協力関係を築く上で重要な役割を果たします。コミュニティ感を育みつつ、意見の相違を円滑に解決することが重要です。

保守と費用

適切な維持管理と費用の分担は、不動産価値の維持や住環境の向上に直結します。定期的なメンテナンスや改善計画は重要です。

  • 固定資産税

私道には固定資産税が課されます。私道の所有者によって負担が異なります。(1)地主が全て所有する場合は、地主が支払います。自分の土地から作られたセットバック私道も同様です。(2)共有名義の場合は、名義人それぞれが所有する持ち分割合を支払います。(3)分筆した場合は、それぞれ所有する私道部分の固定資産税を支払います。

他の土地のように、私道を取得する場合には不動産取得税、都市計画法の市街化区域内であれば都市計画税、相続する場合には相続税がかかります。

「しかし、私道であっても、各自治体に公衆用道路として認定してもらえれば固定資産税・都市計画税・不動産取得税は非課税となります。公衆用道路とは、一般の人々が利用する道路のことです。公衆用道路かどうかは、私道の登記簿謄本の地目に記載されています。それに対し、地目が『宅地』となっている私道は公衆用道路と認められていません」

土地を購入する際には、売主の納税通知書を確認することをお勧めします。「納税通知書には、売主が所有する土地と建物の地番が記載されています。地番に『非課税』とあれば、その私道は公衆用道路として認められていることになります」。

影響

私道の状態や管理方法を理解することが、賃貸や購入時の適切な選択に繋がります。私道が不動産価値や暮らしに与える影響を把握し、物件選びや生活の向上に役立つポイントを把握できます。

暮らしとの関連性

私道は日常生活に深い影響を与えます。コミュニティ感の醸成や子供たちの安全、近隣とのつながりを強化し、居住環境の向上に寄与します。私道の選択は、安全な環境や近隣との協力関係を促進します。

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